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A message from Henry Rollins on our new album, “NO”

2020.07.09 [Information]


NO is more than the new album by Boris. It is their reaction and comment on the current state of the world as they see it. It would be all but impossible to deny that almost every aspect of human life has been impacted. No matter where you’re from or how you’re living, things are different than they used to be.
The collective uncertainty, anger, frustration, confusion and sheer life on the edge existence is reflected in NO.
All Boris albums are memorable listening experiences and we fans are continually gratified by this excellent and thankfully prolific band. NO is an eleven track/40 minute explosion of ultra hectic, crushing brilliance. If you’re a Boris fan, this an absolute must have. The level of energy is on full from start to finish. It’s as if Boris inhaled everything bad that’s happening in the world and exhaled their great disagreement onto NO. As the band says in their press statement: This is “extreme healing music”.
Boris is doing NO on their own, so it’s implicit we fans support the group without hesitation. You just do it. Countless bands all over the world are experiencing scrapped tours, delayed releases and futures put into very real uncertainty. For decades, Boris has been there for us with great records and shows, so we will of course be there for them.
Things are bad out there but Boris has uploaded these awful ingredients and made something truly good. They have taken a global crisis, flipped the overwhelming negativity it has engendered and turned it into positive artistic expression. Of course they did. Wata, Atsuo and Takeshi are Boris. They’re quite incredible. Release after release finds them in a constant state of morphing, exploratory evolution which seems to show no signs of slowing. NO, this protest-as-art album is yet another great Boris record. A stand out in an already monster body of work. I feel lucky to be a Boris fan and am so glad you’re one too.

Henry Rollins

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–  新作アルバム『NO』について、ヘンリー・ロリンズ氏からメッセージが届きました –

『NO』は、Borisにとって単なる新作以上のものだ。これは、彼らがこの世界の今の状況を見て、それに反応した結果であり、それについての発言である。

人間が人間として生活していく、そのあらゆる局面が今、影響を受けているということは、まず否定しようのないことだろう。どこの人だろうと、どのように暮らしていようと、さまざまなことが、以前とはすっかり変わってしまっている。

だれも彼もが、先が見えず、怒りやフラストレーションを抱え、混乱し、とても追い詰められた状態で生きている。それが『NO』には反映されている。

Borisのアルバムはその全作が聞いたときの衝撃が忘れられないという性質のもので、僕らファンとしては、このすばらしい、そして嬉しいことに次から次へと作品を世に出してくれるバンドに、いつも喜びを与えられているわけだが、今作11曲40分の『NO』は、とりわけすごい。本当にすばらしい。心の底からガツンとやられる。Boris好きな人なら絶対に聴くべき一作だ。最初から最後まで、エネルギー全開、フル・スロットルで飛ばしてくれる。あたかもBorisが、今、世界で起きているすべての悪いことを吸い込み、それに対する非・同意の気持ちを吐き出したのが、『NO』という作品になったかのようだ。バンド自身はプレスリリースでこう言っている。これは「エクストリームなヒーリング・ミュージック」なのだ、と。

Borisは今回自分たちだけで『NO』という作品を作った。だから、僕らファンとしては、何ら躊躇することなくこのバンドをサポートすることは暗黙のうちに了解されているだろう。何を迷う必要があると言うのか。世界中の数えきれないほどのバンドが、ツアーの中止やリリースの延期といったことに見舞われていて、将来どうなるのか皆目わからない状況にある。Borisはこの数十年の間ずっと、僕らの目の前で、傑作を次々とリリースし、すばらしいライヴをしてきてくれた。だから今、ここで、僕らが彼らのためにできることをするのは当然だ。

世の中の状況は非常に悪いのだが、Borisはこのひどい状況を素材として、心底から良いと言わずにはいられないものを作り上げた。全地球規模の危機を取り込み、それが突き付ける圧倒的なネガティヴなものをひっくり返し、それをポジティヴな、アーティスティックな表現に作り替えた。本当にそういうことをやってのけた。WataとAtsuoとTakeshiがBorisで、彼らは実に信じがたいことをやってのけている。作品をリリースするたびに、彼らは変容する。次は何があるのか探ってみようとばかりに進化し、それは鈍化する兆しすら見せない。『NO』は「アートとしての抗議」のアルバムであり、Borisはここでまた代表作を作ったのだ。この作品が出る前から既にとんでもない作品群を生み出してきたバンドだが、今作はその中でも秀でている。僕はBorisのファンであることを幸運だと思っているし、あなたもそのひとりでよかったと思っている。

ヘンリー・ロリンズ